Sai10は栃木県中小企業診断士協会にも所属しています。ここに“経営の仕組み改革ミニ研究会”というものがあり、Sa10は25年7月から参加しています。26年1月15日に開催されたこの研究会で、“品質を向上させる勘所”という題名で小さなプレゼンをしてきましたので、その一部をご紹介いたします。
簡単なIce Breakの後、Sai10の現所属している企業の紹介をして、本題に入ります。“品質を向上させる勘所”は、品質向上を単なる現場改善や検査強化の問題として捉えるのではなく、“経営の仕組み”そのものを改革し、意図を持ったストーリーとして実行し続けることが本質であるという立場からお話してみました。品質を単に製品(財)の合格/不合格という結果のみでとらえるのではなく、したがって、偶然に良くなるものではなく、狙って作り込むべき経営成果であるという考え方が全体を貫いています。
品質問題への対応
品質向上の第一歩は、製品や仕掛品を合格・不合格といった二値で判断しないことにあります。
その理由は二値評価では現象の変化や傾向を捉えることができず、原因分析や再発防止につながらないからです。重要なのは、自然現象として品質を捉え、単位を持った連続値で評価できる技術(評価法)を確立し、継続して活用することです。真の要因を、相関のある別の測定可能な指標で捉え、現象を“観る・診る”姿勢が求められています。
ここで一つ目のNG Wordを示しています “原因が判らないのに打つ施策を”対策“ということ”
品質問題への対応においては、“原因が判らないまま打つ施策”を対策と呼ぶことをはっきりと否定します。品質が変化している原因が分かって初めて、対策は成立します。そのためには、AsIs(現状)とToBe(あるべき姿)を数字で把握し、その差分であるGapを明確にすることが重要です。品質問題の原因を推測すること自体は奨励されるが、推測に終わらせず、必ず検証を行い、真の原因の近づいていく対応が求められています。Sai10がこれまでも良くお話していたAsIs-ToBe-Gapでストーリーを策定するところです
想定外の変化への対応
想定外の変化に対して“従来と同じにやっています。何も変えていません”という判断を安易にすることはとても危険です。背景が変われば、過去の成功体験は通用しないことがあります。過去の成功体験をその成功のための何らかの前提条件があったはずです。それは成功体験をした人も気が付いていないこともあるかもしれません。想定外の変化に対応するためには、手順書や(これまでの)の条件によって得られる結果を見るだけでなく、ダブルループ学習により、前提条件は何であったか、それは変化する可能性がないものなのか、というその手順や条件を設定した時の成功体験時の深い背景の理解が必要です。4匹の猿を例に出しました。
ここで二つ目のNG Wordを示しました。 “従来と同じ”
厳しいことを申してしまいますが、人と異なり、自然現象は裏切らない。現象を正しく観察し続ければ、必ずきちんとした解を提供してくれます。
3.AsIs-ToBe-Gap
これまでもSai10は何度もこのAsIs-ToBe-Gapの大切さを本コラムでも示してきました
(https://blog-sai10-tm-consulting.com/quality-month-2024/
AsIs-ToBe-Gapの設定においては、AsIsとToBeを否定形で結ぶことを戒め、AsIsとToBeとは異なった単位でGapを設定することが重要であることを示しました。この対応により、“どうすれば実現できるのか(How)”まで含めたストーリーとして品質向上への施策を描かくことができます。
ストーリーの策定は品質向上施策の必要条件
品質向上施策では目的と手段を明確に区別することが重要です。
良く見るこの目的と手段を混同する例として、自動化やDXが挙げられます。
自動化やDX施策は目的ではなく課題解決の手段です。自動化によって何を達成したいのか。それは生産性向上やリードタイム短縮といった成果と思います。これに繋がらない自動化は、投資回収できないロスに過ぎません。自動化すると品質を作用する様々な条件とその結果が電子化された数値データとして取得できることがとても期待できます。変化や差分を見ることも容易となり、期待しない品質の変化の予兆も把握する機会が増えるでしょう。この結果、想定外への迅速な対応が可能になります。
最後に
最終的に、今回の講演が伝える品質向上の勘所とは、明確な目標と課題を持ったストーリーを策定し、社内外と共有しながら仕掛け続ける経営姿勢です。個々人の成長があってこそTeamは強くなり、信頼に基づくコミュニケーションが企業の持続的成長を支えると信じています。
必要以上に頑張らない、その代わりに成長しましょう。成長は、解らないことが解ってくることと思います。駅伝やWBC、W杯サッカーを見ても分かるように、個々人が強くないとTeamとしても強くなれないし、目標は応援してくれる人がいないと達成できません。だから強いTeamを作ることが重要です。困難に立ち向かい、奮闘し、苦境を経験して、栄辱を共にし、Gapを解消していくのが真のTeamと思います。このようなTeamづくりを進めていくことがいつも高いレベルの品質を継続して維持していく源泉になると思っています。
Sai10のキャッチフレーズで締めました
Make it happen with our firm confidence!
追記
武田信玄の正範語録も少し紹介しました
https://blog-sai10-tm-consulting.com/seihangoroku/
https://blog-sai10-tm-consulting.com/seihangoroku2/

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