課題と問題の定義しなおします(AsIs-ToBe-Gap)

技術

 Sai10が日ごろお話している“AsIs-ToBe-Gap”について、言葉の定義のし直しから始めたと思います。先日、日本技術士会のホームページ掲載の“修習技術者のため修習ガイドブック-第3版-”(https://www.engineer.or.jp/c_topics/003/attached/attach_3637_1.pdf) を見る機会がありました(これまでは、ほとんど見ていませんでした)。もうすでに第3版なんですね。ここに、Sai10がしばしば示す”課題“と”問題“についての記載があります。注意深い方は、Sai10がこれまでお話してきたことと少し違うことにお気づきになるかもしれません。実はSai10はこれまで”問題“ではなく、”問題点“と示してきました。Sai10が技術士試験に取り組んでいた時は、”問題“という言葉でなく、”問題点“だったような気がします(間違っていたら、申し訳ありません)。上記の”習得技術者のための修習ガイドブック-第3版-”の3.2.1 問題分析 の項には、“問題点”ということばではなく、“問題”と記載されています。

問題=目標値-現状値

とあります。上式は等式です。以前Sai10は、上式で“問題”を“問題点”として、目標値と現状値は同じ単位ですが、“問題点”は単位を変えましょう、とお話してきました。しかし、”習得技術者のための修習ガイドブック-第3版-”のような記載をすると、“問題”も同じ単位となり、

目標値=現状値+問題

と記述できます。これは、理解しやすい、と思いました。それでは、“問題”と“問題点”の差はどこになるあるのでしょうか。“問題点”を“障壁”と捉え、“問題”を引き起こしている“ポイント(点)”や“解決すべき(取り組むべき)事象”と捉えることができます。ここを“修習技術者のため修習ガイドブック-第3版-”の3.2.1 問題分析 P12では” 問題の要因は常に顕在化しているとは限らず、潜在的な要因を含めて分析・整理し、「課題」を適切に設定することが重要である。“と記載され、”課題“を設定しています。同様の記述が、“修習技術者のため修習ガイドブック-第3版-” P11で

③ 「課題設定」(問題を解決するために為すべき課題を設定)

と記述されています。つまり、”課題“が”解決すべき問題点“であり、Sai10の示す”Gap“に相当します。”解決すべき問題点“ですから、当然、現状値、目標値、問題と単位は異なります。別な見方をすると
現在:現在値、問題
未来:目標値、課題、課題解決をするための手段
と時制で捉えるとさらに解りやすくなると思います。このように時間軸で各要素をとらえてみると
学校で、先生から指名されて、解答をする場合、それは先生から現在、問われたものであるため、“問題”です。一方、その場で答えることができず、明日までに解いてくるよう指示される場面は、それは先生から課されたものになり、例えば帰宅後という未来に取り組む内容となるため“課題”になります。
 再び、現状値・目標値・問題の関係を示す式に戻ります

目標値=現状値+問題

 上式では、2つが解れば、1つは足し算と引き算で求まりますので,この式には情報が2つしかありません。
 このAsIs-ToBe-Gapは技術の世界だけでなく、ビジネスの領域でも活きる考え方と思います。
例えば、レストランの集客の場面で
現状値:来客数 100名/日
目標値:来客数 150名/日
とすると、
問題:50名/日
となり、どうやって、50名の来客を増やせば良いか、考えた時、スイーツの好きな人の来訪が同業者や地域特性で少ないと判ったら、
課題:スイーツが楽しめる新メニューの開発
となります。
 現状値、目標値、問題が同じ単位で記述され、課題は、これらと異なった単位で記述されていることに留意してください。

 Sai10がこれまで示したことと全く違いはないのですが、“課題”と“問題”という単語を再設定することによって、キャッチ―の画像のように“AsIs-ToBe-Gap”の表現画像を変更します。
 技術士試験の様に取り組んでいただけると技術的な課題が解決し、目標が達成できることは勿論、ビジネスの世界でもこの考え方は活きるものです。どうしたらいいのか、何をするべきなのか。“問題”と“課題”がぼやけていては、ビジネスも技術と同様に自身で想定したストーリーどおりになりません(多くはこれを失敗と言います)”問題”と”課題”を明確にし、目標達成に繋げていくことが大切と思います。

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