高い品質の実現と維持に必要な3つの視点

品質

 毎年11月は全国的に“品質月間”の月で様々な取り組みが催されます。このブログでも品質月間に合わせて過去2回、コメントを発信してきました。
( 2022年品質月間 : https://blog-sai10-tm-consulting.com/quality/ 
2023年品質月間:https://blog-sai10-tm-consulting.com/quality-month-2023/) 
という訳で今年も発信します。品質は何も11月だけ考えれば良いわけではありません。品質意識の向上はいつも必要があることは変わりありません。しかし、一方で品質を落としたい/落としてよい、と思っている人はほぼ皆無と思われます。品質は、機械や図面が作り出すのではなく、その機械や図面を設計/製造した/製造するように指示した“人”に依存するものと思うので、“人”で決まります。したがって、“人”のレベルは品質にとても重要です。
 Sai10がオリジナルとして2024に伝えたいことは3つとなります。

1. ストーリーを作るましょう

– AsIs-ToBe-Gap

 これはある意味Sai10の信条のようなものです。全ての仕事の出発点でもあるToBeという目標に対して、AsIsの現状を正確に認識し、相互を“Not”で繋げてはいけません。その差を解決するために取りうる手段がGapです。だから、AsIsとToBeの単位と取るべき手段のGapは同じであってはいけません。

– 目的と手段を履き替えず、正確に区別する

 AsIs-ToBe-Gapで示す様に手段は目的を達成するために私たちが取りうる方法です。だから、その手段が正しいなら目的を達成しないといけない。例えば、製造業での自動化。自動化は手段であり、目的は製造部なら生産高を上げることです。もっというと、製造の限界利益を上げることです。設備導入をしたら、減価償却費が発生するので、その金額以上、製造の限界利益が上がらないと単純に損失になります。

2. 成長しましょう

– “解らないこと”を“解ろう” と 自然は裏切らない

 上記2つは、同じような意味で製造業は自然科学の裏付けに従って、成立している生業ですので、自然をきちんと観て、その結果から、これまで解らなかったことが、解るようになる、という成長を達成しましょう。

 不良による損失はゼロにできないし、しなくて良い。ただし、この損失発生の変化は限りなくゼロに、が基本。このような損失の発生は、既存製品・技術の弱点が露出されているところです。“今まで解らなかった”ことが“解る”というのは、技術がもう一段上の段階に到達することを意味していて、凄いことと思います。100%解らなくても良いです。今までより解る範囲が広がることは大きな進歩です。

- 教科書に記述される基礎・基本、正確に把握して、大切に扱う

 基礎・基本は重要と思います。自然科学は猶更ですが、生産、経営。。。なんでも。まず基礎・基本は身に付けて実行できる(守破離の“守”)。その上でもっと上位を目指す(Innovationとも言う)ために、“破離”の破る・離れる、を実行できるとSai10は思います。“守”を知らないとInnovationも解らない。“守”が出来ない人は。。。。

- 実績でなく、実力をつける

 “実績”は、過去の結果。それはそれでとても重要で敬意に値しますが、将来を保証するものではない。“実力”は、将来の結果を得る源泉となります。実力は、努力で伸ばすことができます。それが皆さんのMy Brandに通じます

3. 合格・不合格で判断しない評価方法を確立しましょう

– ジョブチューンで語ることができない事象は必ずあります

 製造業を多少は意識していますが実現している製品は、TV番組の“合格・合格・不合格・合格・・”の多数決で決まるものではありません。“合格・不合格”は次工程に進めるべきか、ラインアウトにするか、を即決するためには有効ですので工程担当者が使用するのは便利ですが、技術者は製品にどのような事象が起きているかは、合格・不合格でなく、連続値か少なくとも多変量解析でいう順序尺度で表現する必要があります。こうして初めて自然現象を対象にする業務では、数値として変数を扱うことができ、統計手法に基づく解釈する準備ができます

– 自然現象を観る・診る評価技術が要ります

 製造業など自然に多少なりとも変わっている業種では、今何が生じているかを把握することは大変重要です。しかし、自然は黙っていれば何も見せてくれません。積極的に観る・診る手段を整える必要があると思います。納入する顧客から私たちの製品に使う実機やその一部を提供されるかもしれません。実機はそれなりに必要とは思いますが、実機を準備した人たちの目的は、顧客側の意図通りに動作させて、顧客にとっての使用者が希望する結果を出力することで、私たちが納入した製品の評価を意図して設計されていません。私たちの製品の評価は私たちの製品を原理から良く知っている私たちがきちんと正確に(合格・不合格でなく)評価できる必要があります。評価するには電源、センサー、記録装置。。。が要ります。評価技術がないと、ジョブチューンのように不合格と言われて、どの部分が不合格と良く判らず、相応の想定をして再試行。。。の繰り返しとなります。

そして最後に

Make it happen with our firm confidence!

 言われるだけだと面白くなく、つまらない。疲れます。自分から自信を持って仕掛けていきましょう!!、で関係者全員でTeamで品質向上を目指していきましょう/目指していけます!

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