(補助金申請にも活用できる)ストーリーで未来を描く

経営

ストーリー:事業成功の原則(論理と感情)

 事業を成功させるには、論理と感情のバランスが取れたストーリーが不可欠です。ケンタッキー・フライド・チキンの創業者カーネル・サンダースの言葉「人は論理により説得され、感情と利害により動く」が示すように、論理で納得(Make sense)させ、感情で共感と行動を促す必要があります。

論理:AsIs-ToBe-Gapと守破離

論理は「AsIs-ToBe-Gap」と「守破離」の2つの要素から成り立ちます。

AsIs-Tobe-Gap

 2012年ロンドンオリンピック女子バレーボールチームの銅メダル獲得を例に考えます。当時のチームは、世界ランキング5位という”AsIs(現状)”から、メダル獲得という”ToBe(目標)”を掲げました。その間の”Gap(課題)”は、レシーブ力とサーブ力でした。

 Gapを解決するための方法として、「メンバーのサーブ強化とブロック・レシーブの連携」に取り組みました。その結果、サーブとスパイクレシーブで世界一となり、最終的に銅メダルを獲得しました。

この事例から、「AsIs-ToBe-Gap」を効果的に設定するには、以下の点に注意が必要です。

・「AsIs」と「ToBe」を「NOT」で結ばない。
・「Gap」の単位は「AsIs」と「ToBe」で設定した単位と混同しない。

 また、目的手段を混同しないことも重要です。目的はToBe(ゴール)であり、手段はGapを解決する方法です。例えば、「生産性向上」という目的のために「自動化」という手段を考えるのが正しい順序です。手段が目的化してしまうと、成果が出ない可能性があります。

守破離

 守破離の起源は諸説ありますが、茶道の千利休、能楽の世阿弥、武道に由来するとされます。Sai10の理解は次の通りです。

守:師匠の流儀や型を守り、繰り返し習得する
破:流儀を極めた後、他流を取り入れ工夫を加える
離:そこから独自のものを創造する

 イノベーションを生み出す時でも、まず「守」として原理・原則を徹底的に学ぶことが不可欠です。しかし、その原理・原則は常に成立するとは限りません。例えば、自由落下の運動方程式は「真空中」という仮定のもとで成り立ちます。前提条件が変われば、同じことをしても結果は変わることがあるため、安易に「従来と同じ」という言葉を使わないことが重要です。

ストーリーを支える要素:プレゼンテーションと感性

 プレゼンテーションは、AsIs-ToBe-Gapで導き出した論理を相手に理解してもらうためのツールです。その目的は「コミュニケーション」や「チームプレイ」にあります。自分が魅力的だと感じるストーリーを相手と共有し、協力を促すことで、チームとして目標に取り組むことができます。

感性と感情

 人それぞれ異なる”感性(センス)”を持っており、これを向上させるには「一流」に触れることが大切です。その固有の感性を表現したものが”感情”です。情熱や信念を込めて情報を発信し続けることで、信頼を勝ち取り、人を動かす力になります。

個人の人間力を高めるには、以下の3点を心がけることが重要です。

・敬意(Respect)           : 他者へ感謝を示し、褒めること。
・信頼(Trust)               : 一貫性(Integrity)のある行動をとること。
・意欲(Motivation)        : 積極的に会議で発言するなど、参画意識を高めること。

ストーリーは成長への必要条件(補助金申請では必須!)

 ストーリーはコミュニケーションやチームプレイのための大切なツールであり、それを通じて成長していきたいと考えています。必要以上に頑張る必要はなく、その代わりに成長を目指しましょう。Growth Mindset、すなわち「資質は努力で伸ばせる」という考え方を大切にし、解らないことを放置せず理解に努める姿勢が重要です。
 駅伝やWBC、W杯サッカーを見ても分かるように、個々が強くなければチームは強くなりません。さらに、目標は応援してくれる人がいて初めて達成できます。困難に立ち向かい、苦境を経験し、栄光も屈辱も共にし、ギャップを埋め合っていく。その過程こそが「真のTeam」をつくります。

 新事業進出補助金の申請受付が始まりました。この補助金やものづくり補助金には、補助金を活用した新市場進出なり、付加価値の拡大、生産性向上等を達成して、中小企業の事業拡大と収益向上を目指すものです。申請資料には、申請資料として事業計画書を策定することになっています。これらは想定されるToBeを目指して、Gapである課題を補助金という資産を活用して解決させることを事業計画書という文書と付属資料(プレゼンテーション)で示すことが求められています。このストーリーを丁寧に矛盾なく、説明できていれば審査を通ることができると思います。

最後に、Sai10のキャッチフレーズで締めます。

Make it happen with our firm confidence!(自信を持って仕掛けていきましょう)

コメント

タイトルとURLをコピーしました