経営資源の真に必要なこととは?(ヒト編)

経営

 10月も下旬となり、中間決算を発表する上場企業も現れました。上場企業は人的資本情報の開示をします。そこで、今回は経営資源について考えています。人的資本は経営資源の一部でかつこれから記述内容は何も上場企業に限らず、事業を営む組織全体に言えることと思っています。

“ヒト・モノ・カネ・情報”である経営資源

 経営資源とは“ヒト、モノ、カネ、情報”の4つが有名ですが、本当の意味での経営資源とは、それらを輸しているかどうかではなく、どう活用するか、であるはずです。そこで経営資源をどのように活用していくか/どのように成長させていくか、という視点でSai10なりに記述していきます。“ヒト”とは社員さんですよね。社員は大事にしないと。。。。教育してOJTして成長してもらおう/しよう。。。で、それだけ??“情報”って売上データとか不良率とか、顧客アンケート結果のこと? 全部正しいと思いますが、別な視点もあると思います。

最初にこのふつうの4つの経営資源についてのSai10なりの解釈です。最初はふつうのお話。

4つの経営資源

まず、“ヒト”が最重要なので最初です!

ヒト

 人的資源。昔、人材→今、人財。他の3つの経営資源と異なり、生命と感情を有している有機体であること。“じんざい”には他に人罪とか人在とかいう表現もありますが、ここでは“人財”。

 “人財”という表現は高度成長の1960年代からあるようです。人材をコストと捉えた高度成長期から価値の提供者として“人財”として経営側、労働者側の双方でRespectし合って“人財”像を創り上げたと思います。当時は、“ヒト”に関する色んな言葉が出回りました。例えば、頑張る→顔晴る。何も仕事の世界だけでなく、スポーツなど競技の世界でも使われていました。“がんばる”は日本では、子供のころからお馴染みで、小学校の運動会での“がんばれ~”は多分、応援の意味合いで使われています。一生懸命走っている人に外から“がんばれ”という命令文は適切なのか、とSai10は昔から常々は思ってはいました(だから“がんばる”と言う言葉はあまり好きではありません。しかし、一所懸命に走っていない人に“がんばれ”は有り、です)。“ヒト”の“人財”としての能力は有限ではありません。いつまでも成長できるし、変革もできるし、その成長に裏付けられた実力が備わる潜在能力を有しているからです。だから、4つの経営資源のうち、最重要なのが“ヒト”と言われる所以と思っています。

 少しだけ、“人在”と“人罪”について。いずれも少なくともPositiveでないので、詳細には記載しませんが、既記載した“人材”と“人財”と合わせるとPPM(Product Portfolio Management)分析に似ているような気がします。PPM分析では、縦軸:市場成長率、横軸:シェア、でそのいずれもが高いのが“花形(Star)”です。一方、どちらも低いのが“負け犬(Poor Dog)”と呼ばれます。そして、最初から花形の商品はなく、たとえ花形商品になってもいずれ、負け犬の方向に向かっていく、というものです。つまり、導入期:問題児(Question Mark)→成長期:花形(Star)→成熟期:金のなる木(Cash Cow)→衰退期:負け犬(Poor Dog)と言う流れ。負け犬になる前に、撤退を含めた様々な対応を必要とします。赤字では困りますので。“ヒト”も同じでだれもStarになりたいと思うでしょうし、そのStarの期間が長いことを期待します。

 “ヒト”をPPMと同じように、縦軸:仕事など個人の成長(実力)、横軸:成果(実績)、この実力は未来の可能性を導くもの、実績は過去の出来事、という解釈はこれまでのSai10のブログでもお話してきたことです(例えば、“成長には努力、実力をつける、未来が啓ける:https://blog-sai10-tm-consulting.com/growth-ability/ , 人的資本経営について(一人ひとりの成長):https://blog-sai10-tm-consulting.com/human_captial-2/ )

最初は”人材“から

人材:基本的な業務の目的を理解して、与えられた仕事は、その遂行に必要なスキルを身に付けて丁寧に真摯に取り組み、期待される成果を上げる人

人財:業務の目的の理解は勿論、その背景もしくはその先に期待される事項を想定し、それに必要なスキルを自発的に取り組み、期待(以上)の成果を上がることができる人

人在:与えられた仕事に真摯に取り組むが、多くは主に過去の自身が身に付けた経験に基づいた仕事の範囲から成長することができない人。過去の経験があるから、そこそこの成果は出るが、周囲の環境が様々な形で変化する将来もこれまでの経験を活用でき、その成果が出せるとは限らない。

 人罪:法律違反や反倫理的な対応は論外として、業務の目的を自身の範疇だけで自己解釈し、ミスを繰り返し、期待される成果は出せず、そのバックアップに本人以外の人を巻き込んでしまう人。組織にとって益にならない。

 人的資本の評価は、PPMと同様、縦軸の成長が横軸の成果より重視されるべきと思います。自身が成長せず、目的を自己中で勝手に判断するような“人罪”が増えると、組織マネジメントが崩壊し、最悪は、公的・私的を問わず、不祥事発生に陥る危険を潜んでいます。下図に”ヒト”をPPMみたいな表現をした図を示してみます。人材→人財→人在となっていきますが、人罪にはなりたくないものですね

 次は、モノカネ情報と続けます

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