人材育成にボーダーはない!

人材

 この2年以内に2021の東京五輪、2022のワールドカップサッカーカタール大会、2023のWBCの野球大会とBig Eventが開催されました。スポーツは、フィギュアスケートのような採点競技はありますが、それでも厳密な基準やルールがあります。野球やサッカーのような球技は基本的に得点の奪い合いですので高い得点を獲得できた個人・チームが勝ちとなります。時間競技も同様に、通常、(水泳や陸上競技のように)競技を短い時間に達成できた順番に順序が付きます。つまり、スポーツは獲得した得点や時間など数字で客観的に評価できます。スポーツ選手はこの数字の達成に、心血を注いでいる訳です。結果は数字ですので、間違った判断になりようがありません。だれもが納得できる評価になります。スポーツは勝ち負けがはっきりしている点で事業と共通点が多数あるように感じます。そいういう意味で人がプレーするスポーツと人が携わる事業との共通項である“人”をどう育成していくかについての共通点は多いはずです。
 先日、湘南ベルマーレの下部組織の充実を目指して設立された“フットボールアカデミーの河野篤氏の講演を拝聴する機会に恵まれました。テーマは”湘南ベルマーレから学ぶ育成方法:たのしめているか“で、将来のプロサッカー選手を育成するフットボールアカデミーに参加している有望な若手(中学生や高校生)をどうやって育成していくか、どのように育成しようとしているか、とうお話でした。若手人材育成は、湘南ベルマーレのようなプロサッカーチームでも重要で、これは私たち事業に関わる側にとっても若手人材の採用・育成は業種に関係なく、重要な経営課題と認識しています。
 河野篤氏のお話を伺って、人を育てることはどの世界も同じと感じました。そのお話を元に人材育成についてSai10の考え方を示してみます。

Sai10が共感した湘南ベルマーレアカデミーの人材育成

 河野氏の講演で湘南ベルマーレのMissionである“夢づくり 人づくり”という使命を果たすため、その人材育成を担う湘南ベルマーレアカデミーでは選手に対してSEAで示される3つのスローガン“S : Spirit 戦う気持ち 真面目さ”、“E : Energy エネルギッシュに”と“A : Agressive 積極的 攻撃的”を掲げています。

それは(大きな試合が大きなスタジアムで実施される時、ベンチから出す指示の声は聞こえないそうです。だから、サッカー選手はベンチの指示がなくても主体的に行動することが求められてます。主体的とはS. R. Covey “7つの習慣”のうち、第1の習慣にも通じるものです。(https://blog-sai10-tm-consulting.com/growth-again/)

Sai10が共感した指導者の姿勢

 選手が主体的に行動できるようになるためには、指導者との信頼関係の構築が大事であり、ここに“そこに落ちているゴミを拾える人間に”を合言葉に、単に“好きなことだけをさせず、常に試練を与えながら”人材育成に努めていくことが示されました。

 湘南ベルマーレアカデミーでは指導者の姿勢として常に「OPENマインド」の姿勢で指導者の姿勢に対しては常にOPENマインドで示す姿勢として“O : 思いやり(気配り)”、“P : プラン(長いスパン)”、“E : エネルギッシュさ(自発的に勉強する姿勢)”、“N : 熱意(あきらめない、向き合う)” を掲げます。(https://www.bellmare.co.jp/academy)

 指導者に必要な要素として3つが示されました。1つめは、サッカーは点を取るスポーツなので選手に点を取る喜びを経験させる、つまり、、成功による喜びを体験し、心に火をつけさせること。2つめは、自身が実現できていない課題に果敢に挑戦する勇気と取られたら、取り返すという反骨精神を持つ優気を醸成することでベルマーレのMissionである“夢づくり”に繋げていこうという意図が示されました。何でも“勇気と優気”という言葉も組合せは株式会社湘南ベルマーレ代表取締役会長兼社長の眞壁潔氏の言葉らしいです。3つめは、指導者自身が尊敬される本物の大人となること、でした。

そして人の指導に、“〇〇をすること”という一意の正解はない。しかし、その人それぞれに対して、最適な解は存在する。選手-指導者で探していく姿勢が大切。そういう意味で、選手-指導者が取り組む内容に“失敗”というものはなく、”成長”だけが存在すると示されました。選手は勿論、成長していくことが必要ですが、指導者にも成長が求められているとSai10は解釈しました。

Sai10が学んだ人としての成長に取り組むことの大切さ

 湘南ベルマーレアカデミーでも私たちの事業の領域でも課題に果敢に挑戦し、失敗を恐れてチャレンジを避けるのではなく、むしろチャレンジを成長の機会と捉えていく。仮に想定通りに行かなかった(時として、失敗と言われることもある)としても、周りのせいにしたり、すぐに諦めたりせず、必ず振り返り、学びの機会・次の成長への源泉としていく。これがGrowth Mindset(https://blog-sai10-tm-consulting.com/growth-ability/) です。“能力は努力や方法によって変えられる”とする考え方です。反対語はFixed Mindsetで、こちらは“能力は生まれつき変えられない”です。努力すれば能力は高められる(=成長)と信じるGrowth Mindsetを持っていこうという高い意識がとても大切であることが解ります。野球の野村監督は “努力に即効性はなし。でも努力は裏切らない”と示されています。努力を信じて、継続して取り組んでいきたいと思いました。

 河野氏のお話を伺って、人の成長に必要な事柄、取り組む姿勢や期待される成果は、スポーツや事業といったDomainや社員・選手と指導者というPositioningに無関係であることがはっきりと解りました。そういえば、マズローの欲求5段階では、Domainの限定は全くしていませんね。。

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