Sai10 Sayingを発信しています

経営

経営者のメッセージ

 日本IBM社長の山口明夫氏は“山口チャネル”で日々の出来事を社内に配信していることを知りました。山口社長は“会社業務遂行過程の苦労話”、“昼に何を食べた”とか“ニュース等の外部情報についての感想”の様な気軽な記事も配信しているそうです。しかも、このチャンネルは、役職者だけでなく、若手社員にも配信され、多くの社員は楽しみにしているらしいです。
 また、アイリスオーヤマは毎週月曜、大山晃弘社長ら経営陣が全社員に向けて話す「朝礼」を実施しています。内容はテレビ会議システムを使って全国の主要拠点にリアルタイム中継し、社員たちが話を聞きます。テーマは事業の現状や展望、自社がメディアに取り上げられた際の反応など幅広い事柄が発信されるようです。そして、その場だけで終わらせず、年末に1年分をまとめた「朝礼集」を作って社員に配布するそうです。

“Sai10 Saying”を始める

 このように会社の経営陣が社員にメッセージを発信することはそれなりに意味があるのかもしれないと考えました。多くの経営者はその会社の経営幹部までは自分の言葉で直接、話されますが、社員全員となると年初とか年度初め、会社記念日等何かの区切りの時だけということもあるでしょう。Sai10は、現在所属している会社で“Sai10 Saying”というメッセージを発信しています。“チャネル”は山口社長が使われているし、メッセージではありふれている。訓示というと仰々しく改まった話題しかできない気がして、“Sai10 Saying”としています。Sai10は社長ではないので、Sai10の考えていることを多くの社員に発信する機会も限られています。ということで3月下旬から、Sai10の取締役とし分担している技術(研究開発と製造技術)と品質を担当しているメンバー全員に私信を残すことにしました。ただし、当社の技術部門のトップはその技術を活用した事業の責任者(事業部長)ですので、事業についてのお話もすることにしています。
 アイリスオーヤマの経営陣は毎週月曜日に発信と決めているようですが、Sai10は不定期でこれまで25回発信してきました。約4カ月で25回ですから、週に1.5回くらいの頻度です。話題は、Sai10の考えやこれまで取り組んできた内容やその時々の背景や判断のポイントのようなもの。入社式のような区切りの行事についての私信。10年ぶりのインド出張のお話もしました。ここには、Sai10の会社での体験だけでなく、社外で多くの方々と関わっている・きた知見から、その背景も含め、どんなことをどのように考えて、取り組んでいるかを論理的・技術的な”モノ”、”概念”、”意識”を前提に設計、開発、品質、事業の視点で記述しています。新聞のコラム(朝日新聞の天声人語、日経の春秋)のように600字程度で不定期に発信するメルマガのような形態です。“へ~え”、“なるほど、そういう考えもあるのか”と思えたら、大成功です。
 やってみると、まず600字程度にまとめることはなかなか難しいです。説明のために例を示すことがありますが、“例の部分は字数から除外“なんて変なルールを導入して何とか例を除き600字程度で発行しています。字数が多いと読んでいただけません。少し字数が多いと”長い・・・“という指摘を受けます。シンプルに明瞭に、言いたいことをぶれずに伝える。。。経営者は会社が進むべき方向に社員とベクトルを一致させて取り組んでいただく必要があります。目標の達成などのいわゆる成功は経営者一人ではできないもので、何も役員-従業員という関係ではなくても、組織内の上司-部下の関係や他部門間であっても同じで、賛同者・理解者が絶対に必要と思っています。 
 この2か月は製造業の当社が採用している標準原価方式について、当社製品の原価の決定法を説明しました。私信というより、講義のような記述になってしまいました。ベテランの技術者は良く知っているはずですが、若い技術者は原価がどんなルールからできているか腹落ちしていないと感じていて、その決定法の概念を示しました。また、Sai10の会社は、入社した会社から現会社に売却されて現会社のグループ会社のひとつとなったので、現会社の原価の考え方も示してみました。原価の設定に正解はないですが、各社がそれなりに工夫して原価管理をしようという意図を解ってもらえたら、と思っています。

原価のお話は別の機会に

 という理由で、“Sai10が考える技術と経営の姿”は前回から1か月以上空いてしまいました。
 原価の話は製造業が中心にどうしてもなってしまいますが、どこかでしたいと思っています。結果的に原価はこうだった、ではなく、利益を創出するために、原価はこう管理していこう、という攻めの原価のお話をしたいと思っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました