数字(差と変化率)とその道の専門家

成長

 2回に渡って品質意識の向上というアナログのお話をしてきました。ディジタルはディジタルのお話はあるのですが、“品質は作り込む”という意識では、人の関与することが少なくないと思ったので、敢えて“人の意識”というところに焦点を当ててみました。3回めも“意識向上”を意識はしていますが、Key Wordは “数字”と“全員がそのポジションの専門家”の2点です。

数字

 毎日、会社に出社すると、私たちは会社に関する数字に沢山、出会います。勿論、会社内外で発生した意図しない不具合がその割合、損失額等といった品質に関わる数字もそうですが、品質以外でも、売上高、営業利益、部品単価、工数、製造リードタイム、同調率、残業時間等様々な数字が出てきます。私たちの活動はこれらの会社内の数字のどれかに全員が関わってきています。

 Sai10はこれらの数字には、それぞれ意味があり、売上高とか製造リードタイム等絶対値は勿論、重要ですが、もっと重要なのは、差と変化率だと考えています。言わば、引き算と割り算の結果です。横軸は多くの場合、時間です。(時間ですが、横軸の振り方は注意が必要です。どんな注意か、なぜ注意を払う必要があるかは、別な機会でお話したいと思います。端的に言えば、月を意識していない縦軸に対して、横軸を月にしてはいけない、ということです。)

 昨年同時期との差、先週比で増加したのか(変化率が大きい)、減少したのか等、目標(To Be)と現状(As Is)の差が問題点ですが、これも差を見ています。Sai10は色んな方々と議論する機会がありますが、Sai10が見ている点は、ほぼこの差と変化率だけです。そして、その変化はなぜ起きたのか、起こしたのか。想定内なのか想定外なのか。私たちは、この数字の差と変化率に対してもっと敏感になりましょう。これは、技術、製造、品質部門だけで実施すべきことではありません。営業や調達、スタッフ部門も漏れなく、まさに品質は全部門で作り出す“次工程はお客様”の気持ちで一人ひとりが数字に対する感度を高めていくと良いと思います。管理者は、数字がどのように変化していったかを常に高い感度で把握して、想定外の変化が発生したら、直ぐに対応することを指示することが必要です。これらの数字はメンバー全員が何時でも、見ることができるところに掲示していると良いでしょう。 

全員がそのポジションの専門家

 2つめは、“そのポジションの専門家”で、これも実は1つめの“数字”の差と変化率”と大いに関係があります。数字は何等かの方法で計測、計算し、表現できるものです。が、計測できない・できていないが、変化しているもの・事も多くあります。そしてその変化はその現場に一番近い人、つまり“そのポジションの専門家”が、“そのポジションの専門家”であるからこそ、気づくことができます。専門家なので、数字では表現しきれないもの、例えば、普段は測定してない材料の光沢具合や仕掛品の表面色合いとか、使用工具の消耗具合とか、年々、売上高拡大に寄与してくれた顧客の今年の同時期の注文書の入手状況とかの変化などが一番分かります。
 会社の業務全部を知っている、分かっている人は多分いません。社長でさえ、全体の流れや動きは理解していると思いますが、それこそ箸の上げ下ろしまでは気がついていないものです。だからこそ、それぞれのポジションでそれぞれに携わっている方が一番、”変化している“ことに”気づくことができる”人です。その一番の専門家が、”気づいた”変化に対して、それが意図したことでないなら、これまで想定できていなかったことが起きています。その変化が次の大きな変化にならないうちに対応が取れていれば、大怪我を避けることができます。ですから、私たち専門家は、それぞれの専門家の立場で変化に気づき、気づいたら、エスカレーションして、チームで対応し、原因を特定して、解決して、Controlしていくことができます。

 これらは“シングルループ学習からダブルループ学習へ”と言われる例なのかもしれません。待っているだけではなく、差や変化に敏感になり、それに対して、自身で仕掛ける、です。それを表現しているのが

Make it happen with our firm confidence!

であるとSai10は考えてます。そうでないと、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られちゃいますよね

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