Sai10が示す新しい経営資源

経営

 前回まで2回に渡って、これまでの経営資源について記述し、Reviewしてみました。別に新しいこともなく、いくつかはこれまでSai10がこのブログでお話してきたことの関連も示させていただきました。(https://blog-sai10-tm-consulting.com/management-resources/
https://blog-sai10-tm-consulting.com/management-resources-2/)

さて、ここからがSai10の考える新しい視点を加えた経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)のです。

人や組織間の連携と組織文化および有形無形の仕組み

組織:VRIO分析での最後の要素!

 経営資源の分析には、VRIO(“ブリオ”と読みます“)分析という手法があります。VRIO分析はマーケティングでも使われる汎用性のある分析手法であり、様々な場面で活用される分析手法です。

 VRIO分析では、Y(経営資源の各項目や、マーケでは自社の強み等)を4つのXで分析します。4つとはその順番にV:Value(経済的な価値)R:Rareness(希少性)I:Imitability(模倣可能性)O:Organization(組織) の4項目で評価します。つまり、Oまで対応できれば、そのYは強い!となり、はじめて持続的競争優位が確保できる、とします。VRIOの順序が大切ですから、Oが実現できて、Iが実現していない、と言う表現はありません!ですから、Oはとても重要なんです。

 さて、組織のOですが、マッキンゼーの7SではStructureに相当するか。Organizationは、ビジネスの世界では、リソースの外部調整と管理を強調します。組織は、共通の目標を達成するために人々がどのように協力し、役割や責任を明記しています。つまり、外部との調整や管理、企業全体のビジョンやミッション、部門間の連携などが含まれるわけです。一方、StructureはOrganizationより具体的で技術的な文脈で使用され、内部コンポーネントとその関係を意味するので、権限や業務内容、報告ラインなど、組織の内部の仕組みを示します。したがって、組織を組織構造(Organizational Structure)とみれば、Organizationは組織の仕組みであり、その特徴となります。また、その組織がどんな能力を有するか、という視点でみれば、運用の仕組みやそれを実現する組織文化、と言えます。
 Sai10が思いつく仕組みの例としては、組織(会社・法人)の規定市場データや技術データ、報連相も仕組みのひとつと思います。個人パソコン やスマホ内にあるDoc・Data類は仕組みとは言えません。
 連携、仕組みと組織文化がKey Wordです!

 組織を構成するのは“ヒト”ですし、“ヒト”が複数集まれば、それは“組織”となり、“組織”には“連携”を産むことができます。組織が有している様々な仕組みは有形なモノでであれば、“モノ”であり、組織文化のような無形なものであれば、情報と言えます。

Sai10の考える新しい経営資源

これまでのことをまとめると

新しいヒト

ヒト:他組織間(人と人でも良い)との“連携”が含まれます。“連携”するためには、部門間に必ず、共通の項目(集合のベン図で言えば、重なり部分)が必ず必要です。A∩B≠∅なら、“連携”や“連係”はありません。Shake Handsもできません。注意したいのは“連携”は、自身だけではできない部分について協力を募り、補うものであり、責任は“連携”されないことで、これが“組織文化”と思います(補足:同じ仕事を2つの部門でやるような“連係(連係)”は、OJT等教育場面を除き、発生しないし、させない。繋がりは大事だけど誤った使い方をしてはいけない)。

連携のための共通項目の理解を進めることはとても重要ですが、その理解に基づいて、連携することと同義でありません。“ヒト”は、生命と感情を有している有機体ですので、カーネル・サンダースの言う“人は論理により説得され、感情と利害によって動く”という“感情(要は”ヒト“の気持ち)”は大切です(チームを構築する:https://blog-sai10-tm-consulting.com/organization-by-tokugawa-ieyasu/)。

新しいモノ

モノ:インフラ、設備等の直接・間接を問わない有形の固定資産や部品、原材料等の流動資産。顧客との約束に従った価値提供を実現するために必要なソフトウエアを含む資源に加えてその運用の仕組み

不変のカネ

カネ:経営・事業運営に関する資金。借入金、補助金等も資金です。“カネ”がないと企業は存続できなくなります。“カネ”がないと“モノ”を入手することもできません。債務超過でも“カネ”が回れば倒産はしません。当然ですが、どんな企業でも“カネ”は有限の経営資源です。“カネ”は変換させてこそ意味を持ち、“カネ”は“ヒト”や“モノ”、次の“情報”を入手するための単に手段です。“カネ”を有しているだけでは、価値を生みません。これは、前回と同じ!

新しい情報

情報:市場・顧客状況や暗黙知を含むノウハウ。事業活動で得られた営業データ、製造データ、技術データ等も全て“情報”です。組織が持つ無形財産の一つ(次回に、この“組織”の話が出ます)。基本的に論文等公知情報は、情報には含めません。ただし、公知情報をどのように活用するか、公知情報の解釈等は経営資源になります。モノと異なり、基本的に無形です。“情報”は経営資源の一つなので、外部で活用する時は秘密保持契約(NDA)等でその取扱いに関する条項がたいてい含まれています。

 上記を入手・活用し、業務活動を遂行するための様々な仕組みとそれを実現する組織文化

となります。“カネ”は不変なんですね。。。。やっぱり

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