品質意識向上が図れるヒント?

品質

 今回は、前回に引き続き、品質についての話題を取り上げます。前回は品質には2種類あること。そして当面は、社内で発生する品質問題(内部品質問題)を減少させる、発生を抑制させる必要があることを説明しました。なぜかというと、内部の品質は、言わば自分たちの決めたルールで自分たちが実行できるものであるから、管理しやすいものと言えるから、です。自己責任だからこそ、品質に関する意識を高めていこうではないか!となる訳です。今回は、品質意識に関する2つの事例をお話します。Key Wordは“チーム”です。でも、これで必ず、品質意識向上が図れるかどうかは分かりません。読者の方々のご意見は拝聴したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

気づき

 昔、Sai10が担当した商品の設計が完了し、工場に設計移管を行いました。設計移管は、設計者が工場の作業する人にSai10が策定した手順書に従って作業内容を説明し、理解いただき、繰り返し間違いのない作業していただくことを目的とした設計プロセスのひとつです。

 ある工程を実施している作業の方に、“ここは、こういう作業をしてください。”という依頼(設計移管作業)をお願いしました。その時、その作業の方さんから、”なぜ、この作業をSai10の指示の通りにするのですか。他の似たような商品では同じような作業を〇〇のようにしています。Sai10の指示はそのやり方と違います。それはなぜですか?“と聞かれました。作業方法を変更することは、時にはもちろん、必要です。しかし、その変更には変更を指示する人の意図がなければ、ただの自己満足です。その時、Sai10は、同様の従来作業を十分に知りませんでした。つまり、Sai10の指示には設計者の意図がありませんでした。それを実際にその作業をしている方が”気づき“、Sai10に指摘していただきました。”変化している“と”気づいた“ことをあげ、共有することは、チーム活動だから、できることです。

 全部を知っている、分かっている人はなかなかいません。それぞれのポジションでそれぞれに携わっている方が一番、よく知っているものです。その一番の専門家が、”気づいた”変化に対して、それが意図したことでないなら、何かが起きています。変化したYは変化させたXを正しく認識して、元のYにする必要があります。“気づき”をきちんと指摘しあえる、情報を共有し合える基本。この活動を継続する中で標準作業、設計標準というものが生まれ、商品の品質が高い水準で維持する。これは将にチームでないと、達成できないものです。

対策って何?

 2つめは、所謂、対策について。何らかの想定とは違った事象(工場で言えば、不良品を作ってしまった/不具合が発生したということもそのひとつです)が発生したら、発生した原因が何等かあるはずです。望ましい姿/目標(To Be)と現状(As Is)にGapがあり(別の記事でお話した内容です)それが問題点と称されます。その問題点が生じた原因が分からない解決すべきこと(対策と言われることがあります)が分かりません。

 真の原因が不明な時、いくつか原因を想定することはあります。推定をしたら、検証することが必要です。最も良くないのは、推定したまま、対応案にしかならない行動を対策と称して実行すること。実行した本人は、“(原因も解っていないのに・・・)不具合発生の対策をしました!“となる。さらに悪いのはその対応案の評価も対応策前に実行したことと同じ評価をして、対応案は良い、と判断すること。不具合が発生する前にその設計・手順を評価したときは合格しました。以前、不具合は発生しませんでした。しかし、今はなぜか不具合が発生したのです。つまりこれまでの設計や手順を評価した基準は今、発生している不具合の発生検出レベルより低いことを示しています。だから、新しい対応をしたときは、対応の前後で差が顕在化する新しい評価方法を実行しないといけません。多くは対応案前後で評価結果が異なる評価方法を立案しようとしません。これまでの評価法と同じ評価を繰り返します。実績がある評価法だから、と言う理由で。これでは真の原因はなかなか解りません。

 想定外事象が発生してしまいました。何等かの対応策必要です。で、対応策は??評価は必ず、対応策前と対応策後で差がないといけません。“Sai10さん、対応策の効果を見るには市場に出して1年たたないと分かりません!”という意見を言われたことがあります。その時のSai10の答えはいつも同じです。不具合が発生する条件を想定してください。その想定条件を元に加速条件を設定し、加速試験を行ってください。対応策が有効なら、有意差があるはずです。対応策は必ず、社内指標として評価できる必要があります。品質は市場に聞け!とは言えませんよね。何を社内指標にしてどう評価するかは前回のブログで紹介したようにそこに各部門・各ミッションの英知を集めチームで、考えて、決めて、実行した後、再び、示します。推定したら、必ず、検証する。そして原因を明確にする。そうしたら、対策を打てるわけです。逆に、こういう推定-検証のプロセスがないものには対策は立案できません。、有意差がでる指標を評価する。この一連の流れが対策内容を確固たるものにできます。

 品質を落とそう、品質は低くてもよい、なんて思っている方は、普通の企業には誰一人としていません。しかし、改善しなければならない箇所があることを多くは自覚しています。真摯に丁寧かつ謙虚に、自信を持って品質向上にチームで、取り組んでいきましょう。現状のままで、何も変えないと何も変わりません。変化に“気づいて”、共有する。そういう、社風・文化にする。改善する必要があることは改善する。その効果をきちんとした検証能力を元に評価する、です! そのための基本的な行動基準が

Make it happen with our firm confidence!

と思います。変化するように自信を持って仕掛けましょう。変化を楽しみましょう。その後に、2019年ラグビー日本代表のようにONE TEAMを関係者メンバー全員で実感できると思います。

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